八幡の鯉屋「平栗鯉店」の鯉の甘露煮など川魚料理

平栗鯉店/鯉の雑学



鯉という魚

真鯉

鯉は川や池・湖などの流れの少ない深いところ住んでいる淡水魚です。そして、鯉はあまりきれいではない水でも生きられます。鯉の寿命はおよそ20年位なのですが、それ以上永く生きる鯉もいて長寿の魚として知られています。
体長は成魚で50センチほどになりますが、なかには1mを超えるものもいるようです。そして、一見すると鮒と間違えやすいのですが、鯉には上アゴに二対の口ひげがあるので区別がつきます。
鯉の両アゴの部分には歯がありません。エラの内側に咽頭歯という丈夫な歯がありこの歯の形はうすに似ていて、貝殻のような硬いものでも噛み砕くことができるようになっています。
オスは胴が比較的細く角ばった胸びれが大きいのでわかります。繁殖期には顔に小さなイボが出きますが、これはオス独特のもので追星(おいぼし)と呼ばれています。
メスは胴が太く体が長く、胸びれは小さくて丸みを帯びています。鯉は春から夏のはじめ頃に卵を浅瀬の水草に50万個ほど産み付けますが、成魚になれるのはこのうちのごく僅か・・・、ほかの魚などにほとんどは食べられてしまうようです。


鯉の起源

中国から日本に紀元1世紀頃に伝えられたと言う説と、古来日本には自然分布していたとされる説があります。14世紀に入るとヨーロッパ特にそしてハンガリーやオーストリアに伝わり、その後18世紀にはロシアへ、19世紀にはアメリカへと伝わりました。
今ではほとんどすべての国に鯉は生息していて、ドイツなどでは盛んに養殖されています。そして、チェコやスロバギアではクリスマスに鯉を食べる習慣があるそうです。


鯉の滝登り

鯉のぼり

鯉と言えば滝登りがすぐに連想されるほどおなじみの逸話ですが、鯉は中国では色々な障害を克服できる魚と信じられているからです。
中国に古くから伝わる「登竜門」と言う物語が有名で、一匹の鯉が急流の激しい川を泳いで行き、最大の難所「竜門」という急流の滝を登り切るとその鯉に霊力が宿り、竜となって天へ昇っていったというお話です。
今でも出世の糸口となるチャンスを登竜門と言いますね。
そして、その概念が日本にも伝わり、江戸時代に武家では子弟の立身出世のため、武士の庭先で端午の節句(旧暦5月5日)あたりの梅雨期の雨の日に、鯉を模したこいのぼりを飾る風習がありました。
明治に入って四民平等政策により武家身分が廃止され、こいのぼりは現在のように一般的となりました。


世界の鯉食事情

世界の鯉食事情

お隣の中国では丸のまま脂で揚げ甘酢あんかけで食べますが、中国料理の中でも鯉の料理は高級料理の一種です。
新年に鯉を食べる習慣があるのは東欧諸国から中央アジア一帯にかけて・・・、そして、チェコやスロバギアではクリスマスに鯉を食べる習慣があるそうです。
その理由は・・・、クリスマスには殺生をしないようにということで、肉は食べないという習慣がもともとあり、お肉は食べちゃ駄目なんだよねー。
その代わりに魚食べようと言う事で鯉を食べるようになったといわれています。
ちなみに代表的な調理法方はフライのようですね。クリーム系のスープに入ってる事もあるそうです。

鯉の栄養

鯉の栄養

鯉のたんぱく質は赤身の魚と白身の魚の中間で、ビタミンA、B1、B2、Eを多く含み、また、カルシウム、リン、鉄分も豊富でとても栄養価の高い魚です。
昔の中国では「鯉を食べると母乳が良く出るようになる」と言われてきましたが、このことはあの漢方の名著「本草綱目」の中で「乳汁を下し、腫を消す」と記されているところから来ています。
更に、鯉には疲労回復などの効果もあるとも言われ、昔から健康に良い食品だったのようです。
日本では古くから女性が健康(体力作り)のために鯉を食したと言う伝説や伝承があり、妊婦が酸っぱい鯉を食べて健康になり、無事、安産できたと言う伝説もあります。
また、日本にもお産の後に鯉を食べると母乳がよく出ると言う言い伝えもあり、こうした話は東西を問わず内陸地に多い伝承だと言われています。